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もくじ
1 自然なお産とはなにか
2 なぜ自然なお産が望ましいのか
3 仰臥位の分娩体位は不自然で危険
4 医療介入の光と影
医療介入はときにマッチポンプ
本当に無痛分娩はいいお産か?
5 医療に潜むパターナリズム
6 合成オキシトシンによる誘発分娩の長期的なリスク
7 帝王切開のリスク
腸内細菌叢を遮断する帝王切開
帝王切開増加の背景
8 妊婦健診の落とし穴
健診か検診か
ルチーンの妊婦健診はどこまで有効か?
9 頑張れ助産院!アクション・プラン
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筋肉も脳も使わなければ退化します。お産も同じです。
自力でのお産が減り続けると、将来は帝王切開でしか生めなくなるかも知れません。
そうなった時わが国の母子関係は、そして子どもの将来は、どうなるのでしょうか?
そういった疑問に応えつつ、自然なお産をめざして頑張っている日本中の助産院の助産師さんのためのテキストブックとして、期待を込めて声援を送るのがこの本の目的です。
さらには助産院のやりがいと集客力のアップにつながることを願っています。
著者は母子保健部門で厚生労働大臣表彰を受けた現役の産婦人科医。42年間母子保健医療や産婦人科の臨床に携わり、産婆・助産師との協働を通して、助産師中心の自然なお産を求めてきた。
[大目標]
今日、世界の女性の大半が合成オキシトシンを使用するか帝王切開かあるいはその両方で出産しています。
そのこと自体が全て間違っているなどと言うつもりは毛頭ありません。
必要な医療介入やそのための研究、教育は続けられるべきです。 しかし自然のオキシトシンに頼らなくなって、すでに2世代から3世代になり、世代を経る毎に合成オキシトシンや帝王切開に頼る頻度が増えています。
このままでは人類のオキシトシンシステムの遺伝子発現そのものが、なくなることが案じられます。 自然のオキシトシンシステムが機能しなくなると、障害はお産だけでなく、母子相互の共感や信頼関係、愛情交換などに関わる多くの障害が生じてきても不思議ではありません。
この書には、現代産科学が見落としているものに注意し、子供たちの健やかな成長を願う観点から、自然なお産を追求することの重要性が説いてあります。そのことが社会で一定の理解を得れば、お産のあり方が変わるでしょう。 この本が「“自然なお産”を科学する助産院・助産師のためのテキストブック」としてだけでなく、医師や病院助産師、医学・看護学系の学生、それから一般の方々の教養書として読まれれば、日本のこれからのお産が変わる契機としなるでしょう。
著者:荒堀憲二 産婦人科医
★ご紹介
荒堀先生は自治医科大学の2期生で、僻地医療、JICAによるケニアの母子保健プロジェクト、公立病院の院長など様々な経験を持つベテラン産婦人科医です。
日本家族計画協会会長であった恩師松本清一先生の影響を受けて産婦人科並びに母子保健に進まれたそうです。
WHOの出産ケア59か条を1990年代から実現を目指したり、アクティブバースやフリースタイル分娩、骨盤位の外回転術、
今回のご本では細菌叢のことなど、産科ケア実践に新しい方法を積極的に取り入れつつ、
開業助産師さんから技を学んだり「開業するならいつでも嘱託医になるよ」とおっしゃるなど、一貫して助産師の自律性を応援してくれる貴重な存在です。
昨年退職されて現在は地元の愛知県でペースを落として臨床医を続けつつ、
今後は、自然出産を取り戻すための活動に取り組んでくださるそうです。全
国の助産師とどんなコラボレーションが可能か、荒堀先生のお話を聞けるのを楽しみにしています。
(助産師 福澤利江子)
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